負傷の経緯と経過について

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さて…、
で、そもそも…島はどういう風に怪我して、どういう経過を辿ったのか、おさらいしないとな
りませんよね。
なので、被弾した時点からの時間経過と、島の行動、を追ってみたいと思います(イタタタタ…)


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まず、要塞都市ウルクへ降りたヤマトの上部デッキで。

地上からの騎兵団攻撃を受け、ヤマトクルーたち
は第一艦橋勤務の連中までが銃撃戦へと出なくてはならないはめになります。
(その必然性についても、もちろん賛否両論あるわけですが、動かせない本編の設定とし
て出て行っちゃってるんだもの、島が。だから、そこから先について書いてるんだよ…フン。)

島は加藤と共に古代の背後を守っていましたが、上空から飛来したあのヘンな飛行円盤から銃撃を受け。
斜め上方背後から右脇腹を撃ちぬかれます。…でも、貫通というより体側面に受けた感じ。
脇腹、というあたりがイヤラシイです…致命傷じゃないですから。
傷は利き手(右)側の脇腹なのに、直後に自分を攻撃した円盤を撃ち落としてるくらいですからね、島。

その後、古代に「上空から援護する。俺はゼロで出るから、なんとかヤマトの艦体を持ち上げて、CTを
発進させてくれ」と頼まれ、第一艦橋へ戻ります。
加藤はCTを出しに格納庫へと走り、島は第一艦橋へ戻るのですが、怪我した所を古代と加藤からは見
えないようにさり気なく隠します。ガクッと膝に来てましたけど、甲板の床に血痕が落ちた様子もない。
まだその時点では、受け答えに不自由するほどでもなかったわけです。
エレベーター内部では壁に寄り掛かって痛みをこらえてますが、第一艦橋のドアが開くと同時に「何
も無かったよーな顔で」操縦席に「走って戻っている」んですよ!

第一艦橋のエレベータードアは艦長席の左側にありますから、島が自分の席へ行くには、相原の後ろを
通り山崎さんとコスモジャイロの間を抜け、雪の前を通らなくちゃならない。

そこではまだ島は、エレベーターから自席まで「走ってる」んです。雪に気づかれたら「操縦どころじゃ
ないぞ」って思ったから走って通り抜けた、のだとも思えます。その証拠に、自席に着いてからは(雪や
他のクルーから見えなくなるはずだから)、急に苦しそうになっちゃいます。

この後、島は古代の要請通り一所懸命CT の発進口を開けようと艦体を上昇させるんですが、ヤマトは地
面にめり込むだけで持ち上がらない。

その時の太田の台詞:「アクエリアス、20回目のワープまで、あと3分!」
つまり、それまでに自分がヤマトを持ち上げCTを出させ、古代たちが攻撃を成功させれば「手当てに行ける」。
いや、そうでないとならない。
てことは、長くたって、あと5分くらい頑張ればいい、とその時の彼は思ったに違いない。

だから、この時点での島は
「死んでもやり遂げよう」なんて思ってはいなかったはずです。
そう思う理由が「まだ」ない。


「あと3分!」と太田が言うのを聞いて、「そうだ、ロケットアンカーだ!」と思い出し、前方の瓦礫に
アンカーを撃ち込んでヤマトのお尻を持ち上げます。アンカーのターゲティングも島がやっているはず
ですから、この時はまだ意識も朦朧とはしていません。
(でも、このときが一番痛そうで、見てるこっちも血の気が引きました……なんであのレバー、
あんなに重そうなの!?真田さん、パワステにしといてよ!!………)

そのおかげで、CT隊が発進でき、島はホッとしたような顔をしてます。 ちょっと笑ってさえいます。
古代と加藤たちがワープ光線の発射砲塔を破壊し、ワープ光線が止まる。

さあ、さっさと手を挙げて、
「ユキ〜〜、俺さっき怪我したんだよー。ちょっとヤバイみたいだから、抜けていいかな」って言いな
さいよ!!!(ERI の心の声)と思ったんだけど、島、ホッとしたからか朦朧としちゃって次郎の夢
なんか見ちゃってるんですよ…。

みんなも、喜んでて外ばっかり見ている。
まあまさか、航海長が怪我してるなんて誰も思わないからさ…(島の負傷なんて、誰にとっても
想定外なのよ…航海長は無傷で操縦してるのが当たり前、というのが今までのお約束だったのよ
……泣)。

それを象徴するように、真田さんが沖田さんを振り返り、島のことも右斜め後ろからですが、見てます。
島の横顔が真田さんから見える位置にいて、笑顔を交わしている……んです。……
それなのに、気がついてないんですよ…真田さん。島はもちろん、気付かれないようにしてたに
違いありませんが……(ああもう、意地を張るにも限度があるでしょう!!島のバカ!!)


ここまで、被弾してから10分程度、と思われます。
10分も、あの状態で頑張っていた、ということに、もうERI は涙ボロボロです…
で、多分島が「あのー、…」と言おうと思ったであろうまさにその瞬間。

沖田さんが、ワープ光線の再照射に気づきます。真田さんは急いでまた自席に戻り、分析を始め。
サブコントロールシステムが宮殿にあるんじゃないか、と古代に連絡。
古代はまた加藤たちを引き連れて、丘の上の宮殿に向かいます。
その直後。
真田「再計測の結果、最終ワープまであと20分!」

この真田さんの声を聞いて、島はどう思ったのか。

ERI は、これで島はほぼ「もう医務室へ行けない」と覚悟したのではないか、と思いました。

手当てしなかったらどうなるか、ヤバイよな。でも、ここから20分…。
今のところきっと、痛みのせいでどうにか意識が保てている、ような感じです。
いつ、ヤマトを発進させろという命令が出るかわからない。
20分以内に片が付かなければ、今度はアクエリアスを追ってワープしなければならない。そこからが、
きっと最後の戦いになる。
自分が抜けてる場合じゃないし、第一、島は抜けたくなかったと思う。
医務室行ったら、多分即手術だろうしそしたら麻酔かけられて眠らされちゃうかもしれない。

テレサの時みたいに、自分は眠っていてクライマックスに蚊帳の外だなんて二度とごめんだ、と島は
思ったに違いないです……って言ったのは「航海班★ラウンジ」の管理人/澪子さんでした。
そうだろうなあ、とERIも思う…。
それは男としてもそうだろうし、そもそも彼は軍人です。
手当てしに行って手術が成功しても、もしかしたらヤマトが負けて、地球もろとも終わってしまう可
能性があります。またしても医務室で眠ったまま結着がついてしまったら。ヤマトが負ければ自分は
そのまま死ぬし、勝っても目覚めたときはすべて終わってしまっている、前の時みたいに。

だとしたら、ここで抜けるのと死にそうでも現場に留まるのと、どっちがいいか。

島でなくても、「ここで抜けるわけには行かない」と思うんじゃないだろうか… 無謀だけど、
それが男の意地じゃないか。
そんな気がしませんか。


で。
結局、20分後までそのままの状態で島はそこに居座りますが、画面は古代とディンギルの坊やとルガ
ールオヤジとの修羅場を写しているので、
あの間の島が何をしていたのか、は分かりません。
操縦席で単に待っていただけなのか。
朦朧としていた、のだとは思うんですが……。
その間もおそらく出血は続いていたと見られます。

そしてアクエリアスはみんなの努力も虚しくワープしてしまう、つまり20分、経ったわけだ。


被弾してから、最低でも30分以上。

ウルクの崩壊を受けて、沖田さんはヤマトを発進させろ、と命じます。
島、沖田さんの命令を聞いて返事をしていますね、
「了解、発進準備に入ります…」って。
ただ、そこで島の上半身がグラッと行ったのを、後ろから雪が見ていた。

さて、ここで「医学的考察」の登場であります。

意識レベル。
命に関わる状態かどうかの見極め、に用いられるのが、その患者当人の「意識レベル」です。

 

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