ヤマトに医者は何人必要か?

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さて。あの、理解に苦しむ航海長の死。
自分から死にに行ったような感じもしなくはないし、
でも周りのみんなの対応もどうもおかしい。
ERIはずうっと、もしかしたら島の負傷は死ななくても良い程度のものだったんじゃないか…と
思ってました。 だから、と言う訳じゃございませんが。

本編で「あったこと」を「なかったこと」にしてどう、というのは簡単ですが、ここでは「本編の状況
を医学的に見た場合、島の死は避けられないものだったのか?」について、現職のお医者様・我らがヤ
マト仲間の<S-ドクターさん>より伺ったお話を元に、つらつら書いてみたいと思いまス。


* * *


まず本題に入る前にちょっと覚えておかなくてはならないことがあります。
それは、基本的にヤマトは「当然必要とされる数の医師が乗っていないという、致命的欠陥を抱えてい
る」ということであります。

100人以上の乗組員に対して、元獣医(獣医兼任?)の佐渡先生がひとりだけ。

Part1の第1話では、ヤマトの医師があの人一人だぞ、っていうのを面白可笑しく描いていますが、
はっきり言うとあれはクルーにとっちゃ死の宣告に等しい(笑)。「怪我をする、もしくは病気になっ
たら、まあまず死にますよ」という。
子どもアニメだからアレでも許されますけど、あの時点でもう『まともに考えちゃだめよ』って思って
ないといかん……(でも、そう言い切ったらこの記事もここで終わるけどな)w


そこで、あくまでも佐渡先生のヤブっぷりはただのポーズだと考えて(笑)、
彼を含めて一体ヤマトには何人、何種類の医師が乗り組んでいれば安全なのか?をドクターが教えてく
ださいました。

外科医 (胸腔外科医/腹腔外科医)
ジェネラリスト(内科外科その他全身を診られる医師)
感染症医(血液内科医/婦人科医)
放射線医
整形外科医
精神科医
脳外科医
救命救急医(ER)は最低2人
麻酔科医
トリアージ診断専門医

※トリアージってのは、災害時や戦闘時に限られた人員と限られた医療品で救える命を優先的に救うため
の方法。治療優先順位がルールに従って決められる。緊急を要する患者が当然優先されるが、まだ息があ
っても治療が困難、医薬品が足りない、人員確保が出来ないなどの理由で切り捨てられる場合も。治療と
は別にその判断をする専門の医師が通常はいます。


まあ、ざっとこう考えただけでもヤマトには最低12種(人)くらいの医者が必要、なのです。
佐渡先生が外科とジェネラリスト…を兼任してると考えて、アナライザーが万能で、ユキが完璧な
サポートをこなすとしてもですね、このくらいのスペシャリストチームは乗っていて欲しい…とい
うのが本職のお医者さんから見た条件。
比較するのもどうかと思うけど、例えば米軍の空母には当然ちゃんと医療『チーム』が乗っている。

「まあね、だからあんときゃ人手が足りなかったんだ」と片付けることも出来ます。
島が負傷をこらえて操縦していた間、佐渡先生は戦場のような医務室で独り治療を続けていたわけですから。


ご存じの通り、島は甲板で銃弾を受けて、這うように第一艦橋へ戻ってその後20分近く、黙って操艦を続
けますよね。アレで「手遅れになった」と誰もが思ってるわけです…… 
その後、沖田さんの命令にすぐ反応しない島の様子が変だと気づいたユキと真田さんが、彼のそばへ行っ
て初めて、島が怪我していることに気がつくわけですね。……
けど、本当に『手遅れ』だったんでしょうか?

真田さん「負傷してるじゃないか!」
ユキ  「島くん、どうして黙っていたの!?」

このシーン。

実は、ドクターの見解では「まだ手遅れ」ではない、というんです。
あの時点であれば、“21世紀 現代の医療”でも島はまだ助けられたんじゃないか。
ドクターはそうおっしゃるんですよ…。

ガーーーン。
ERI 、軽くショックを受けたんですけど……。

 

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